東京電機大学 自然科学系列 量子物理研究室

量子物理研究室の研究テーマ紹介

(平成28年7月9日記)

強相関電子系の超音波物性

電子は物質の性質(物性)を支配する重要な粒子のひとつです。 電子は物質中を多くの相互作用を受けながら運動しています。 特に4f電子や5f電子には複数の相互作用が強く働き、 極低温、強磁場中において電子が大きな影響を受けます。 これらの系は強相関電子系(Strongly Correlated Electron Systems)と呼ばれており、 その多彩な物性が多くの研究者を引き付けています。

強相関系では電気抵抗、磁場中電気抵抗、磁化率、 比熱等に異常な振る舞いが観測され、低温での秩序状態にも大きな影響を与えます。 これらは主として電子間の相互作用の競合に起因します。 さらには弾性定数や磁歪、熱膨張率にも異常が観測されます。 これらの異常は結晶格子系(フォノン)とf電子系との相互作用により現れるものです。 本研究室では4f電子系単結晶試料に超音波を導入し、 弾性定数の異常な振舞を研究しています。 現在4.2K(Heの液化温度)から150Kまでの温度変化を測定していますが、 4.2Kより低温での実験や強磁場中の実験も計画しています。


研究室のトップページへ